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茨城県土浦市立神立小学校 小学5年生の英語活動の検証授業


2009年04月06日更新

茨城県土浦市立神立(カンダツ)小学校は、平成19年・20年と、文部科学省の小学校英語活動等国際理解教育推進拠点校(全国に614校)の一つとして研究をすすめてきました。平成20年度は、英語ノート(試作版)を取り入れた英語活動をすすめており、その成果を研究発表会等で発表しています。5・6年生は週1回英語活動の時間があり、ALTは隔週で来校します。その他の週は担任の先生と日本人のボランティアが授業にあたります。

12月11日には、神立小学校において小学5年生の英語活動の検証授業が行われ、授業の様子はビデオ撮影されました。
目的は、英語ノートからのアクティビティを盛り込みながら、ALTを効果的に使ったレッスンを実現するためです。授業計画は、同小にALTを配置している㈱マクシードのレッスンプラン開発担当者と、小学5・6年生担当ALTが作成したものを使用しました。

授業計画作成にあたり、以下の3点が配慮されました。

  1. 英語ノートのCDは使わず、生のALTを最大限に活用する
  2. 英語ノートにあるリスニングなどの受動的な活動は避け、楽しいゲームも取り入れた、児童が能動的に発話できるアクティビティ主体とする
  3. クリスマスという、12月ならではのイベントを取り入れた内容とする

英語ノートの5年生Lesson6「外来語を知ろう ~What do you want?」をベースに、インタラック社 オリジナルレッスンプラン5年生用のLesson27を組み合わせ、クリスマスにふさわしい楽しいレッスンとなりました。授業を担当する担任の先生、日本人ボランティア・ALTで手順を確認し、授業が行われました。

ウォームアップ

挨拶や簡単な会話に続き、ALTがフラッシュカードを使いながら、コンピューター、CD、ジグソーパズル、アイポッドなどの外来語の発音を提示します。学級担任の先生に日本語の発音をしてもらったあと、ALTが英語で発音することにより、児童にとって「英語と日本語で同じような言い方をする言葉があるけれど、発音は違うんだな」という気づきがあります。児童はそれぞれの外来語を普段日本語で話すときとは違い、耳から聞いた音をそのまま真似ようとし、その発音はかなり正確に聞こえます。その後、児童はグループごとに、外来語を出きるだけたくさん考えて紙に書いていきます。児童からは「バナナ、オレンジ、マット、バット」などの答えが出たほか、「メターボ」とメタボリック症候群を英語らしく発音した(つもりの)答えが出たりと、大人たちが吹き出してしまうような場面もありました。

次の活動は、英語ノートに頻繁に出てくる「キーワードゲーム」。2人ずつペアになり、競って消しゴムを取り合うゲームです。リズムに合わせて今日の単語(外来語)を言うのですが、1回目にALTが言った単語を2回目は児童が言う。3回目にALTが同じ単語を言ったときは(児童は)消しゴムを取り、違う単語を言ったときには消しゴムを取ってはいけません。一見単純に見えるゲームですが、児童の表情は真剣そのもの。教室内にほどよい緊張感が走ります。そして、3回目にALTが同じ単語を言い速い児童が消しゴムを取ったときも、3回目にALTが違う単語を言いどちらかの児童が間違えて消しゴムを取ってしまったときも、歓声が上がる―小学生の発達段階に合った、大いに盛り上がるゲームです。このように、英語ノートの中にはALTの授業でも比較的使いやすいゲームもいくつかあるので、上手に取り入れながら授業を組み立てると、英語ノートを生かすことができます。

主な表現の提示

英語ノートでは"What do you want?" "I want a (item)."が使用表現となっていましたが、ちょうどクリスマス前という季節柄、"What do you want"のあとに"for Christmas?"を付けて、クリスマスにどんなプレゼントが欲しいかという表現にアレンジしました。このことにより、児童にリアルな自己決定、自己表現の機会を与えています。文字で示すことは一切せずに、テンポよく徐々に児童を表現に慣れさせます。児童は挙手をして、一人で表現を言うことに挑戦しようとします。失敗を恐れて消極的になったり、間違えたからと言って恥ずかしがったりせずに、多くの児童が堂々と挑戦している姿には驚かされました。

活動1

表現に口が慣れてきたら、「会話リレー」に挑戦。各列の先頭の児童がカードを受け取り、列の2番目の児童に向って "What do you want for Christmas?"と尋ね、2番目の児童はカードの絵に従って、"I want a soccer ball." などと答えます。同様に次々と列の後ろにカードを送り、速く最後までカードを送った列の勝ち、というゲームです。中には表現がなかなか上手く言えない児童もいますが、ALT、学級担任、ボランティアのサポートを受けながら、皆一生懸命に取り組みます。

活動2

2つ目の活動は「何がでるかな?」。各グループにサイコロが配られます。サイコロの目のうち5つにはクリスマスのプレゼントになりそうな物の絵が書かれており、残り1つの目には、「?」が書かれています。サイコロを振った児童に対しグループのメンバー皆で "What do you want for Christmas?"と尋ね、サイコロを振った児童は出たサイコロの目に従って"I want a ( )."と答えますが、「?」の目が出た時だけは、自分が本当に欲しいものを考えて答えます。ここに、決められたことをそのまま言うのではなく、自分自身が実際に欲しいものを自分の言葉で表現する機会が生まれます。グループ活動の際は、ALT、学級担任、ボランティアが各グループを回ってサポートしますが、グループによってはリーダー的存在の児童が皆をまとめてうまく活動を進めている様子も見られました。

振り返り

最後は振り返り。ALTの "What do you want for Christmas?"の質問に、当てられた児童は自分が実際に欲しいものを答えていきます。ほとんどの児童が"Me, me, please!"と言いながら、「自分を当てて欲しい!」とアピールする姿は非常に印象的でした。また、質問に対する答えも、"I want a kareshi(彼氏)." "I want a house." など、児童一人ひとりが普段リアルに考えていることを鮮明に表すものがいくつもありました。このこともまた非常に興味深い検証結果だと言えるでしょう。

授業終了後

授業後ALTに群がりはしゃいでいる児童の姿が印象的でした。また、この日授業視察のため神立小学校を訪れていた数名のマクシード企画担当スタッフが、授業を終えた児童に "What do you want for Christmas?"と尋ねると、尋ねられたほぼ全ての児童は臆することなく、たどたどしいながらも "I want a (  )."と自分がクリスマスに欲しいものを元気に教えてくれました。また、企画スタッフの "Do you like English?" "Do you enjoy English lessons?"などの問いにも、戸惑うことなく、"Yes, I like English!"などと答えてくれ、この日授業観察に訪れたスタッフは皆大いに感銘を受けました。このことから、神立小学校の児童は、英語に全く抵抗を示すことなく、自然に(しかも積極的に)、外国人であるALTとのコミュニケーションや、英語を使ったコミュニケーションを楽しんでいる(つまり児童が「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度」を大いに身につけている)様子が見て取れました。このことは、神立小学校5、6年生における、毎週1回の英語活動及び隔週のALT訪問の大きな成果と言えるのではないでしょうか。今回検証授業を行ったのが小学5年生ですから、この児童たちが引き続き小学校英語活動に参加し、卒業時にどのように成長しているのか、大変楽しみなところです。

テーマ:クリスマス企画

(英語ノート 小学5年生 Lesson6 「外来語を知ろう」に対応)

ウォームアップ 挨拶 【外来語の導入】日本語と英語の発音を比較しながら、外来語を導入していく。
【身近な外来語を探そう】(英語ノートより)制限時間内に、グループ内で出来るだけ多くの和製英語を出す。)
【キーワードゲーム】(英語ノートより)ペアで行うゲーム。リズムを取りながら、2回同じ単語を言う。3回目にALTが同じ単語を言えば、消しゴムをすばやく取る。違う単語だったら、取ってはいけない。)
主な表現の提示 A: What do you want (for Christmas)?
B: I want a soccer ball.
英語ノートの表現を、クリスマスに合う形に変更した。
音とリズムで表現に親しむ。
活動1(列ごとに) 【会話リレー】先頭の児童がカードを受け取る。
児童はカードの絵を見ながらI want a soccer ball.と言いながらカードを後ろへ送る。
早く最後までカードを送った列の勝ち。
活動2(班活動) 【何が出るかな?】サイコロの目に応じて、I want a ...と答える。?
マークが出たら、児童は自分の本当に欲しいものを答える。
振り返り ALTはWhat do you want for Christmas?と言いながら数人の児童を当て、児童はI want ...とクリスマスに欲しいものを答える。

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