実践レポート
那覇市教育委員会
英語活動レポート
国際的な視野を持ち、新しい時代をたくましく生き抜く子供を育てることを小・中学校の共通の目標としながら、音声重視の授業や小・中学校を通じて、興味と関心が持続発展する授業展開を推進構想に掲げる那覇市の英語教育について、現場での状況を中心にご紹介いたします。
プロフィール:
那覇市立教育研究所
指導主事
比嘉俊博先生
1、推進構想
英語教育は本市の重要な教育施策の一つであり、研究開発学校として市内53小・中学校が指定を受けました。そのような中で大切にしたことは、中学校英語教育の現状についてです。また国の動向はどうなのか、効果や社会的ニーズはどうなのか、また総合学習における小学校英語活動の点検評価なども考慮しながらスタートいたしました。
2、ネットワークの構築
また、先生方を支援する一つの方法として情報共有センターを設置し、那覇市内に搬送システムというものが組織されています。リクエストのあった資料は学校へ配達され、活用が行われます。情報共有センターでは大型絵本なども充実しています。様々な指導案や多くの資料も備わっていますので、校内研修も情報共有センターで行うケースが増えています。地域指定型の研究開発の利点を活かすために、各学校を小・中学校別にグループ編成して学校間のネットワークの構築を図っています。
「
RV・PDCA
サイクルに基づく小・中学校英語教育実践」
R
esearch
(現状課題の認識)
国の動向・社会的ニーズ、小学校の点検・評価、中学校の実態先進校の事例収集
V
ision
(方向性)
目標施策、創造性・国際性に富む人材育成、世界と手をつなぐグロ―バルな人材育成
P
lan
(計画・策定)
研究課題 年間研修計画 指導要綱
年間指導計画(小) 推進計画(中)
到達目標(小) 手引き 検証指標
研究リーダー教諭育成 英語実践研修計画
英語指導員派遣 情報共有センター設置
D
o
(実施)
授業実践 研究会 年次研究発表会
小・中学校相互授業参観 講演会
担当者リーダー会議 研修主任会議
保護者説明会
C
heck
(評価)
児童・教諭・保護者意識調査
(諸アンケート、分析、考察)
英語聞き取り調査(中学1年)
達成度テスト(中学2年)
研究公開(学校、管理機関)
A
ction
(改善・実施)
課題の分析 改善計画立案・実施中長期計画
研究目標の見直し
《授業時間数と指導形態》小学校36校
Aパターン
1〜2年
3〜6年
45分モジュール
週1回45分授業
5校
Bパターン
全学年
45分モジュール(週2回)
5校
Cパターン
全学年
週1回45分授業
21校
Dパターン
1〜2年
3〜6年
週1回45分授業
週2回45分授業
5校
中学入学時に英検5級のリスニングテスト(中1終了時レベル)実施、正答率
60〜78
%
3、効果
81%の生徒が小学校で英語を学んだことが、中学校の英語勉強にも役立っていると答えています。これまでに比べ、英語を話そうとする意欲や推測して聞くような態度があると中学校の先生方は感じています。全児童生徒の92%が、「英語をもっと聞きたい、話せるようになりたい」という意欲を持っています。また先生たちは、英語の免許を持っていない小学校の先生があんなに楽しく行っているのに、英語のプロの中学教師がどうしてできないのかと自問する先生もいました。中高英語で変えられない部分を小学校が変えたというのは、まさにこの部分なのです。私たちは「読み、書きの英語教育」に慣れていますが、小学校では「聞いて応答する」という英語授業を進めてくださいと伝えています。更に中学校ではこれまでより多く英文を用いた学習、また、文法指導なども英語でできるようになりました。
●教師(小学校教諭)
・英語の指導を通して子どもたちをほめて励ますことの大切さが分かった
・校内研修を通し徐々に自信が持てるようになってきた
・子どもたちが明るく積極的になり、その効果が大きいと感じた
・英語の時間を通して子どもと触れ合う機会が増え、子どもとともに学ぶ気持ちが持てた
・グループ研究会を通し他校の研究など、良い情報交換の場を得、自校の研究に生かすことができた
・学校生活の多くの場面において、こどもがしっかり話を聞こうとする態度が育まれつつあることに英語
教育が大いに貢献している
●教師(中学校教諭)
・小学校で培われた英語の興味・関心を中学校でも持続するよう指導方法を工夫改善した
・オールイングリッシュの授業を心がけ実践している
・リスニング力が優れており、それを生かしながら他領域の能力を伸長させるよう指導方法を工夫した
・近隣小・中学校の教諭とのネットワークが構築された(特に小学校教諭が英語の研究に一生懸命取り
組む姿勢に刺激を受けた)
4、こんな子が育まれました
那覇市では11カ国から英語指導教員を雇っています。子供たちの英語に対する抵抗感は少なくなってきました。それと同時に日本語の良さや素晴らしさに気づく子供たちも増えてきたように感じます。小学校での英語の授業が、様々な部分で意識を変えてくれた結果になってくれました。
小・中学校連携(義務教育)の英語教育を通じて
こんな子が育まれました〜こんな子を育みます
★英語が使える子〜しっかり聞く力・話す(応答する)力をつける
★英語によるコミュニケーションを意欲的、積極的に行おうとする子
★国際的な視野を持ち、新しい時代を他と協調し、たくましく生き抜く子
★異文化に触れ、偏見のない開かれた心を持っている子
『みんな違ってみんないい』『それぞれが自立するための分かち合いの心を持つ子』
★他人の考えを尊重し、協調し、自己を確立できる子
★英語に対する抵抗感が少なくなると同時に日本語の良さに気づく子
★中3終了時(義務教育終了時)に、英検3級程度の英語による
実践的コミュニケーション能力が身についている子
『英語が使える日本人育成のための計画…文部科学省(平成15年)』
ページトップへ
|
ホームへ
Copyright (c) 2006, INTERAC Co., Ltd. All Rights Reserved.